| 日语版 |
先輩物語    
桜もホームレスも日本
  時間:2013-08-29       エディター:フジ国際語学院      
G 1  張向達

皆さんは日本のどこに引かれて、日本に来たのですか。おもしろい漫画ですか?かっこいい俳優さんですか?それども、女子高校生のきれいな制服姿?私も日本に来る前にいろいろ想像したりしました。先進国である日本の人々は一体どんな生活を送っているのだろうかなどと思っていました。

春めく四月に日本に着きました。去年の桜は平年より遅い。もしかしたら、私達を待つのによほど我慢して、咲いてくれたのだろうかとひそかに思ったものです。入学の日、微風の中に花びらが漂い、車の上に落ちては、また飛んで、川に落ちては、流れをピンクに染めていました。桜色の街を歩きながら、幸せな気持ちで一杯でした。しかし、この穏やかな空気は、突然均衡が崩れました。ホームレスの人が視界に入ったのです。汚れた体に、服はボロボロでした。布団などを詰めた車を推して、私とすれ違いました。私は慌てて、直視すらできませんでした。まさか日本にもホームレスの人がいるなんて、大きなショックを受けました。これが、日本のホームレスとの初対面でした。

瞬く間に夏休みが来ました。入学試験に備え、近くの図書館に通うことになりました。途中、必ずある高架橋の下を通過するのです。そこに、一人のホームレスが住んでいました。普通、歩道と車道の区切りとして、低木などが並べて植えてありますね。歩道に住むと、通行人の迷惑になります。けれど、この高架橋の下の一部分は低木がないのです。彼はそのわずかなところを利用して、通行人を邪魔することなく、そこにいました。上を電車が通ると、ガラガラとすごくうるさいけれど、まあ、照りつける太陽を避けられるし、雨の日も無事なので、彼にとっては悪くない住処でしょう。

毎日顔ぐらい会わせますし、家も近いし、やはり気になるのです、彼の存在が。そこで、勇気を出して笑顔で「おはようございます」と声をかけてみました。これはお金がない、留学生の私が唯一してあれられることだと思ったからです。笑顔を通して、「あなたも私の近くに住む人々の一人です。お互い同じ人間です。世間はそうなに冷たくないよ」というメッセージを伝えたかったのです。彼はびっくりして、一瞬固まったのち、ぎごちない笑顔を返してくれました。それ以来、目が合うたび、挨拶し合うことになりました。

ところが、ある日、図書館からの帰り道で、いつもそこにいる彼が見当たりませんでした。その場所は区役所にフェンスで囲まれ、告示が貼ってありました。歩道で寝るな、通行人の邪魔だという内容でした。周囲を見回して、近くの公園にいる彼を見つけました。何事もなかったように、ぼんやりと座っていました。

このことについて皆さんはどう思いますか。私がしたことは、役所の対応によって、あっさりとつぶされたように感じました。私の笑顔はなんの意味もなかったのでしょうか。でも、思い返せば、桜の小さな花びらはあちらこちらにたくさんあることで、街の空気を変えていました。日本の桜は私に幸せな気分をくれました。日本のホームレスとの出来事は、笑顔の力を考えさせてくれました。笑顔も桜のようなものかもしれません。一人の笑顔の力は小さいし、吹き飛ばされることもあるけれど、あちらこちらにたくさんあれば、社会の空気を変えていくでしょう。やはり、笑顔は無力なものではない。私はそう思います。

(2013年早稻田校区日语演讲大赛获奖文章)